自分が我侭なのは知っていたけれど。
 知っているつもりだったことに愕然。
 人間関係にあまり重きを置いていないと思っていたのに。転校だの進学だの引越しだのなんだのあって、それで会わなくなれば疎遠になってハイサヨナラだと思っていたのに。
 縁を切らなければならないはずの人についしがみついてしまう。
 だって、好きなんだもの。
 昔みたいに子供みたいに尻尾振って周りを飛び回るようなことはないのだけれど。
 それでも背中を預けさせてもらいたいくらいには好きなんだもの。
 背中を預かってあげることはできないんだけれど。
 だから、縁を切るとまでいかずとも、もう甘えてはいけないとわかっているのに、わかっていなければならないはずなのに、それでも耳を伏せてきゅんきゅん鳴いておなかを出すわんこのようについつい甘えてしまう。
 頭を撫でてもらう人は変わったのにね。