英語について

 英語というか、前回の佐藤亜紀先生との授業にも関わってくるんだけど。

 「ニュートラル」という言葉を先生が使って、里村はまず単語の意味がわからなかった。そこは単に里村が頭悪いだけ。調べればいいだけなんだけど、面倒臭かったので日記に書いておけば師匠辺りがそのうち教えてくれるだろう、と思ったら、期待通り教えてもらえた。それからやっぱり辞書も調べて、だいたい、中間とか、中立とか、あとはたぶん、普遍に近い意味も持つんだろう、と解釈することに。間違っているかな。まあ、いいや。

 そんでまあ、前回の授業のことを考えてみる。というか、小説に使った英語を考えてみる。
 まず、主人公の名前はメリー・アン。義兄はチャールストン。とりあえず、チャーリーというニックネームになればなんでもいいや、と思って。某英国魔法少年の親友の兄に因んでみた。不評だったわけだけど。
 閑話休題
 あと使った英語といえば、そのうちキーアイテムとなる本をペーパーバックと呼び、義兄の幼馴染で主人公の恋敵(ああ、書いていて笑えるなあ)ベイカー。その名の通り、パン屋さん。それから主人公と義兄がお使いに行ったグローサリー。食料雑貨品店ね。イメージとしては、ジャイアンの店。
 それくらいかな、使った英語といえば。
 んで、主人公の名前はいいらしい。可愛いからという理由で。使った理由は、完全にTHE ALFEEをぱくっただけなんだけど。まあ、まともな理由もあるけど、それは割愛で。ものっそい適当だし。うん、適当。ちょうどよい、という意味。嘘。
 で、チャーリーは不評。うん、まあ、なんとなくわかるけど。メリー・アンとチャーリーはやめようよ、と苦笑しまくった先生に言われた。やっぱり、となんとなく思ってみたり。名無しでいいかな。
 あー、だから閑話休題で。
 ペーパーバックに関してはコメントがなかったな。小道具としての使い方が弱いのでもっと使えばよかったのに、と言われて、里村もそれには賛成して、みたいな。
 だから、内容に関することはもういいんだって。英語だ、英語。
 それで、一番言われたのはベイカーとグローサリー。
 まず、ベイカーはなんでベイカリーじゃないのか、と聞かれた。
 その答えとしては、うまく言えなかったんだけど、人と店、両方を一語で言いたかったんだよね。人だったらベイカー、店ならベイカリーなんだろうけど。でも、店をベイカーと言っても間違いはないはず。たぶん。
 んで、なんで英語か、っていう話になって。
 イメージとして、場所の設定が偽英吉利なわけで。だから英語を使いたかったんだけどね。パン屋、とか八百屋、なんてやったら、雰囲気が崩れる気がして、と答えたら、別にそんなの使わなくても、雰囲気は出ているんじゃないか、と言われ。それに、そのために英語を使うのは微妙、的なことを言われて。
 で、ここで英語はニュートラルな言語じゃないし、と言われた。例えば、突然ここでドイツ語を使うようなものだよ、と。
 うん、まあ、そうかもなあ。

 と、そういう話を師匠にしたら、君の場合はまた違うんだろう、と言われた。

 里村は小さい頃、アメリカで暮らしていまして。所謂帰国子女なわけです。
 それをとりあげて、師匠は、君の場合は、英語の捉え方がまた普通の人とは違うだろう、と言われて。
 先の先生の発言は、日本語のみを使って今まで日常生活を営んできた人への言葉になるらしく。うん、まあ、里村は英語を教わった言語として捕らえていない。今だって、頭の四分の一くらいは英語で考えているし。たまに英語でしか思いつかなくて、日本語に直せなくて困ることもある。あとは、その英単語に相当する日本語が思いつかなくて困ることも。ていうか、未だにcozyという意味に相当する日本語が思いつかなくて先に進まない書きかけの小説もあったりする。辞書的な意味じゃあ、なんとなくしっくりこないんだよなあ。
 閑話休題、パート3。
 だからまた、ちょっと違うらしい。
 なにが違うかいまいちよくわからないけれど。
 とりあえず思うのは、この小説、最初は英語で書いていたんだよなあ、と。英語で書いていて、途中で提出することにしたから日本語に直して。そこで日本語で考え直すんじゃなくて英語で書いていたのを和訳したから、最初の何ページかは英語っぽい日本語になっている。それに合わせて英語を使ったのもあるんだけど。

 里村にとっての英語とは。
 なんなのか。
 第二母国語とは違う気がする。
 ていうか、母国語ってなんだ。
 母語と言った方がいいのか?

 なんていうか。
 なんていうか。

 里村の今の思考法や感情や人格形成には深く関わっていると思う。日本語らしくない考え方や話し方はあるし、でもだからと言って英語だけというわけでもない。むしろ日本語的な考え方や話し方の方が大半を占めている。
 だからといって。
 だからといって・・・。

 なんなんだろうね。